ヨーロッパのクリスマスの食事風景
ヨーロッパのクリスマスはレストランまでお休みになる、日常とは違う大切な祝日です。
クリスマスイブには家族で食卓を囲むのですが、そのメニューはお母さん手作りの料理です。
質素なメニューが多く、カトリック教徒の人々はお肉を食べないのが伝統的。
質素な食事をし、キリストの誕生を厳かな気持ちで待つという事なのです。
食後にはみんなで特別なお菓子(ケーキ)を食べます。
各地域によって食べるお菓子(ケーキ)は様々なのですが、代表的な数種類をご紹介しましょう。
パネットーネ(イタリア)
バターと卵を多く使ったブリオッシュ生地の中にレーズンやオレンジピールなどの刻んだドライフルーツを混ぜ込み焼き上げた甘くてふわふわなドーム型のケーキです。
クリスマスの4週間に焼かれ、親戚や友人に配る習慣があります。
冬のフルーツは豊かさや実りの象徴なのです。
ブッシュ・ド・ノエル(フランス)
フランス語で「クリスマスの薪」という名前の通り、丸太のような形をしたケーキです。
クリスマスのお祝いにケーキを食べる習慣は19世紀にフランスで生まれ、その起源になったのがこのケーキだと言われています。
なぜ丸太なのかはいくつか説がありますが、紀元前より行われていた「冬至祭」に蒔きを使いお祝いしていた事から生まれた様です。
輪切りにしていない長いままのロールケーキの表面をココアクリームで覆い、フォークなどで波形をつけて樹皮をかたどってあります。
シュトレイン(ドイツ・オランダ)
シュトーレンとも呼ばれるこのケーキは、トンネルのような形をしているところから「坑道」を意味するこの名前が付けられました。
酵母が入った生地にレーズンやレモンピール、オレンジピール、ナッツなどを練り込み焼き上げてあります。
仕上げに粉砂糖をかけて真っ白な見かけになります。ふわふわというよりはぎっしりしたパンに近い食感の甘いお菓子です。
クリスマスを待つ4週間の間、少しずつスライスして食べる週間があり、どんどん風味が増す為、毎日違った味わいが楽しめます。
クリスマスプディング(イギリス)
プディングとは言っても、日本でいういわゆるプリンとは大きく違い、プラムなどのドライフルーツ、くるみ、ナッツに加え、ミンスミートと呼ばれる牛脂が入った、ずっしりと濃厚なケーキです。
食べる前にはブランデーをかけ、フランベしてからいただくのが伝統です。
実はこのケーキ、中に指輪やコイン、裁縫の指ぬきなどを入れて焼き、食べる時に引き当てた人にはそれぞれ「良い結婚」「裕福」「良い人生」が訪れるとされています。
ハリーポッターの大好物として日本でも有名になりました。
各地方の美味しそうなケーキ、多種多様でどれも食べてみたくなりますね。
最近ではパネットーネやシュトーレンなど、パン屋さんで見かけることも多くなってきているので、見かけた際には、ヨーロッパのクリスマスに思いを馳せながら食べてみてもいいかもしれません!
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食卓をきれいに彩ります。
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次回はヨーロッパの伝統的なお祭りクリスマスマーケットのお話です。